2023.3.8
簡易版カスタマージャーニーマップの作り方
こんにちは。メンバーズユーエックスワンカンパニーの鴨澤です。
最近、業務で作成したカスタマージャーニーマップが「ユーザー理解」と「価値検証」に役立ったため、皆さんにぜひご紹介させてください。
特にUXリサーチに興味がある方、UX関連のフレームワークを業務活用したい方にとって、少しでも参考になりましたら幸いです。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップとは、顧客やユーザーがある目的を達成するまでの行動プロセスを図式化したものです。
ある目的の例:ゲームアプリのユーザーが、限定アイテムを購入するまでの行動プロセス
顧客やユーザーがどのタッチポイントを経て、どのような感情を抱き、どのような行動を取るのかを可視化できる点が特徴です。
カスタマージャーニーマップ作成によって、ユーザーの抱える課題や心理状態を把握し、適切な方法での課題解決や目的達成にアプローチしやすくなります。
簡易版の作成が必要になった経緯
私は業務でアプリ機能改善ディレクターとして、機能の「価値検証」を行っています。
とある企画で『ユーザーにとって本当に必要な機能なのか?』の価値検証が必要になり、今回はカスタマージャーニーマップを作成して、ユーザーの行動プロセスを整理することにしました。
ただ、検証期間が多く取れなかったため、できるだけ簡易的な方法で価値検証を行うために、簡易版カスタマージャーニーマップの作成に取り組みました。
作り方
調査方法はユーザーインタビュー
今回はユーザーインタビューのアウトプットとして、カスタマージャーニーマップ作成を行いました。
インタビュー前にカスタマージャーニーマップの型を用意し、インタビュー後に行動プロセスを整理する流れです。
今回はFigJamのテンプレートを基にカスタマージャーニーマップを作成しました。
私が用意した項目は以下の5つです。
- ステップ
- 利用ツール
- 行動(実際どんな行動をしているか?)
- 課題(改善したいことは?)
- 疑問(現状フローに対する疑問点のメモ)
5つの項目について、インタビュー前に把握済みの内容は事前に記載しておきます。
特に、疑問点を事前にメモしておくと、インタビューの際に質問しやすいのでおすすめです。
ユーザーの感情の可視化を割愛?!
今回、簡易版の特徴として、ユーザーの感情の可視化を割愛しました。
割愛といっても、ユーザーの「感情」をただ単に表記しない、という意味合いです。
今回は感情を可視化する作業を省略して、その分、感情の変化によって「どんな課題が生じるのか」を明確化することに注力しました。
イメージとしては、ユーザーが抱えている課題や困っていること、反対に今便利に思っていること※などをヒアリングし、カスタマージャーニーマップの「課題」欄に課題感を整理していくような流れです。
※今回の機能実装によって利便性が損なわれないか、課題になり得る点を把握する意図。
ユーザーインタビューに多くの時間を取れなかったという背景もあり、今回は感情の可視化をやむを得ず省略しましたが、可能であれば記載することをおすすめします!
簡易版カスタマージャーニーマップの完成
こちらがインタビュー後のカスタマージャーニーマップです。
事前に記載していた5つの項目に「対応」項目を追加し、今回の機能開発に必要な対応の洗い出しを行いました。
今回の価値検証の結果、対象の機能はユーザーにとって
「あったら便利だけど必ずしも必要ではない」
「現状ユーザーが便利に思っている機能をなくしてまで実装する機能ではない」
と判断し、対象機能の実装は見送りになりました。
『ユーザーにとって本当に必要な機能なのか?』の価値検証の結果として、見送りを判断できたことは大きな成果であると実感します。
まとめ
今回のカスタマージャーニーマップ作成によって、ユーザーの行動フェーズごとに課題を把握でき、スムーズな価値検証の判断が可能になりました。
カスタマージャーニーマップの他にも、ユーザー理解を基に企画を進めるためのフレームワークはたくさんあるので、色々なフレームワーク活用に挑戦してみたいと思います。
ぜひ皆さんも、それぞれの目的に沿ったUX関連のフレームワークを活用して、UX改善していきましょう!
参考
この記事を書いた人
鴨澤 ちひろ
21卒入社、メンバーズユーエックスワンカンパニー所属のディレクターです。最近、アボカド盆栽を育てています。