2023.3.6
【新卒1年目~未経験の私たちがディレクター業務をしてみて~その2】
こんにちは、新卒でディレクターを担当している高橋です。前回の記事では、知念さんが運用について詳しく書いてくださいました。私は配属後、上期は都度提案のチームのディレクター、下期は知念さんと同じく運用ディレクター業務を行っています。私からは都度提案のチームで行ったVOC分析の業務についてお話したいと思います。
【VOC分析って?】
最初に聞きなれない方も多いと思うので軽くVOCについて解説します。VOCとは、「Voice Of Customer:ボイス・オブ・カスタマー」の略で、「顧客(ユーザー)の声」を意味します。
私のチームでは、サイトを使うユーザーにとって使いやすいデザイン・構造を目指し、毎月クライアントへ届いた問い合わせ(ユーザーの声)に対してどのサービスに対する、どんな悩みなのか尺度を決めて分類分けをし、Webサイトでどのように解決できるか方法と提案を考えていきます。
例えばですが、
サイトの〇〇のサービスが分かりづらい!と問い合わせを多くいただいたとします。
この場合、サイトの説明文自体が分かりづらいのか、説明文は分かりやすいが見つけづらいまたは気づきづらいのか、など何種類か考察ができます。
前者の場合、説明文自体をどのように改善すれば分かりやすくなるかを考える必要があり、後者の場合は説明文は分かるが、サイト自体の説明文が目立たない、見つけられないといったサイトのデザインや設計の問題になります。
そのため統一性のあるデザインにしたり、説明文自体を見つけやすくしたりするにはどうするか考える必要があります。
とはいえ、考察はいくらでもできますから、実態はどうなのかを調査しながら改善策を考えていくことが必要です。
サイト内のどこでユーザーは離脱しているのか、滞在時間はどれくらいなのかを加味してユーザー視点に立ち、サイトの構造を見つめ直すことが大切です。
毎月届くVOCにも各問合せについて占める割合が違います。その問合せについて割合が多いからといって必ずしも顧客の問題解決になるとは限りません。毎月上位を占める問い合わせ量ではないものの、数ヶ月継続して一定数以上問い合わせが届いている項目については、問題点が長い期間放置されていることになります。
【ここがポイント!】
- 今月割合を多く占める問い合わせ項目と、数ヶ月継続して一定数以上問い合わせが届いている項目どちらが優先度高いか考察する!
↓
- どんな要因があり、関係性が高いかチームで討論する。
「考えられる要因の例」
- 季節要因
- キャンペーンとの関連
- 以前行われたサイトの改修
初めはユーザー視点に立つことも難しく、何となくこうなんじゃないかと漠然とした課題感しか私は話せませんでした。しかし、先輩たちのユーザー視点に立って何パターンもユーザー行動を考え、こんなポイントで悩みが発生するんじゃないかと考察し取り組む姿勢を見て学び、具体的なイメージをだんだん持てるようになりました。
【先輩たちのすごいところ!】
- クライアント自身が気づかない課題点を発見する
- サイトの理想像を提示することで具体的なイメージを連想させる
- サイトの理想像にたどり着くためにどんなことが必要かを逆算しながら、提案ミーティングまでスケジュールを組む
↓
- クライアントミーティングまでのスケジュールを管理しながら短時間で成果へ繋がる提案を作成する
【提案までの流れ】
- 1ヶ月の集計された問い合わせをどんな要因で発生したのか分析
- 最優先で解決すべき課題は何か検討
- あるべき姿をクライアントへ提示しながら途中経過を報告、相談し優先事項を選定
- 具体的なイメージや施策の内容を詰める
- 提案ミーティング
私がこの業務を行うことで学んだことは下記の通りになります。
【学んだこと・技術】
- ユーザー視点で分析すること
- 何パターンも想定しサイトの問題はどこなのか考えること
- 課題点と解決するゴールを考えること
- 切り口を変えることで様々なアイデアが生まれる
- クライアントが目指したい姿とユーザーの持つ課題点の双方を擦り合わせていくために、広い視野を持つこと
【私たちから~これからディレクターを目指すみなさんへ~】
私たちの実際に行っているディレクター業務についてお話させていただきました。同じディレクターでも業務内容がかなり変わってきます。もちろん私たちの業務以外にもユニットによってディレクターの業務内容は変わってきます。しかしどんなディレクターにも共通している点が幾つかあります。
【共通点】
- ゴールを想定し逆算しながらスケジュールの進行管理を行う
- ミスやリスクを無くすために常に先々をイメージしながら広くプロジェクト全体を見る
- クライアントが目指したい姿とユーザーの持つ課題点双方を擦り合わせること
- 意見に責任を持つこと
プロジェクトの大小に関わらず、責任感を強く持ちクライアントの期待を超えるためにディレクターは舵をとりプロジェクトを進行します。そのためクライアント、ユニットメンバーと認識相違が生まれないようにするのはもちろんのこと、常にスケジュールが上手く進行するとも限りません。リスクやイレギュラーに対応する臨機応変さも磨いていかなければなりません。
下記にディレクターに向いてる方の特徴や配属1年目に意識すると良いことをまとめてみました。
【こんな人に向いてるかも!】
- タスクやスケジュールの進行、管理が好きな人
- 物事を広く観察するのが好きな人
- チームの中心として物事を決めていくのが好きな人
- 深く物事を考えるのが好きな人
- メモをすることが得意、好きな人
- コミュニケーションが得意な人
- チームで何かを成し遂げるのが好きな人
- 挑戦すること、試行錯誤が好きな人
- 地道な積み重ねが得意な人
- 自分の意見を言うのが得意な人
- 細かいところに気づける人
【1年目はこんなことを意識すると〇】
- 先輩の業務で上手い、すごいと思ったことをメモして真似してみる
- 自分の得意、苦手なタスクにかかっている時間を把握する
- コミュニケーションが円滑に進むよう、端的に話す意識をする
- コーダー、デザイナーの業務もある程度興味を持って勉強する
- 分からないことや違和感があれば確認する
- 何のための作業なのか意図を理解する
今までのお話でディレクターはかなり難しく感じたかもしれません。確かに簡単なお仕事ではなく、責任も大きいです。しかしそれ以上のやりがいと、チームでプロジェクトを進行していく楽しさ、喜びもたくさんあります。また、最初から完璧に何でもできる人は一人もいません。どんな人も色々なところで失敗や苦い経験を経て、確実に成長しています。知識やできることが増えるほどディレクターとしての価値、魅力はどんどん高まっていくのが特徴です。勉強や経験がたくさん必要ですが、チームで協力し、クライアントの意図を形にしていく醍醐味がディレクターにはあります。ぜひ、Webが未経験でもディレクターにチャレンジしてみてください!
この記事を書いた人
高橋英大
2022年入社。EMCカンパニー所属。ディレクター。社内でラジオ放送やイベントの司会担当をする機会が多く顔だけ無駄に広い。猫とスニーカーが大好き。