2023.3.3
教えるのも学ぶのも「楽しい!」メンバーズの高校生向けPython授業
こんにちは、ソーシャルクリエイターデベロップメント室の栗栖です。
先日、株式会社メンバーズと株式会社LX DESIGNさまが共同で、桐朋女子高等学校
の情報の授業でPythonを学生に教えてきました。こちらはメンバーズで行っている「1Share + 1Actionプロジェクト※」の一環として実施されました。どんなワークショップだったのか、春日井健太さん、石原寛太さん、Python幸一さんにお話を伺いました。
※1Share + 1Actionプロジェクトとは、メンバーズ全社員が年に最低一回、社外へのナレッジシェア(Share)ないしはソーシャルクリエイター育成につながるアクション(Action)をしていくプロジェクト。
ソーシャルクリエイターとは、デザイン思考を持ち、ビジネスの推進や制度設計、アウトプットを通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材のことで、メンバーズで掲げているVISION2030実現の取り組みとして1S1Aを推進しています。
登場人物
聞き手:栗栖(ソーシャルクリエイターデベロップメント室)
話し手:春日井健太(メンバーズキャリアカンパニー)、石原寛太(データアドベンチャーカンパニー)、Python幸一(メンバーズキャリアカンパニー)
ワークショップ開催に至った経緯を教えてください
春日井:今回のワークショップはLX DESIGNさまにコーディネートいただき、実現に至りました。LX DESIGNさまは複業先生というサービスを行っており、学校現場で外部人材による特別授業を行っています。
2022年度から高校の情報の授業にPythonのプログラミングが教科書に盛り込まれたということで、学校側でも初めてのPythonの授業になるので、プロの手を借りられないか相談があったというのが開催に至った経緯です。
10月末ごろからPython幸一さん、石原さんの2名のエンジニアを中心に3名体制で授業の準備を開始し、1月に実施しました。
参加いただいたのは全5クラスで、約150名の生徒さんに対して授業を行いました。
応募した理由は何だったのでしょうか?
Python幸一:ローマ帝国の政治家Senecaが、「教えることが一番良い学習方法」だと言いました。Pythonを生徒さんたちに教えることで、自分自身もPythonの理解を深めることができるのではないかと思い、応募しました。また、自分は海外の学校で数多くの素晴らしい先生と出会いました。教えることの喜びを先生として経験したかったです。自分が経験した学ぶことのスリルをPythonの授業という形で届けてみたいと考えました。
石原:自分も最近Pythonを学び、現在は業務でも使用しているのですが、とにかく学びやすくて便利!だと最初に思いました。これをより多くの人に知ってほしいという理由から今回の活動に参加しました!
さらに学生のころ高校生を対象に塾講師でバイトを行っていた経験と、Pythonが高校生の情報科目に追加されたということ聞き、このタイミングしかないなと思い参加しました!
高校生向けのPython授業の内容を改めて教えてください。
Python幸一:時間が限られていたので、トークは最低限にまとめました。まず「Hello World」の替わりに「Pythonは楽しい」を表示させることから始めました。文字表示を練習してプログラミングは楽しく簡単であることを実感していただいたと思います。その後、変数にアニメのキャラクターとその必殺技を入れて表示させる練習に入りました。数学で「X」や「Y」の値を求めることに慣れていたようで、変数は同じ様なものだと教えることで直ぐに理解してくださった様子でした。
その後、プログラミング初心者がつまずきがちな「==」と「=」の違いをじっくりと説明しました。数学に慣れている皆さんは、それだけで「比較」が使えるようになりました。比較と同時に「if」条件分岐を数パターン例を上げながら教えました。10分の休憩後は、簡単なゲームを後ほど作れるように、ランダムモジュールを紹介し、同時にモジュールが便利だということが伝わったと思います。また、プログラミングで重要な「データ型」について、文字と整数だけを説明しました。最後に、事前に用意した「席替えアプリ」を使ってもらい、クラスメートの名前に書き換えていただき仕上げていただきました。配列やループについても授業中説明をしたかったのですが、限られた時間の中でカバーできず、その代わりそれらを用いた「席替えアプリ」で遊んでいただくことが我々にとって精一杯でした。
授業を準備するうえで、苦労した点はありますか?
Python幸一:与えられた2時間で大学受験レベルのPythonでのプログラミングを初心者に教えるのは現実的ではないため、具体的に何を教えれば良いのか迷いました。そこで、閲覧数の高いPythonオンラインコースを多数見て、プログラミングのスタート地点として何がベストかを研究しました。結果、アニメや一般知識などのわかりやすい例を用いて変数やデータ型など基本的なことを多数練習することが一番良いと考えました。
石原:授業を「プログラミングについて」「Pythonについて」どちらに重きを置くかがとても悩みました。Pythonには便利なモジュールという機能があり、これを生徒さんに触ってほしかったのですが、そのためにはプログラミングを知る必要があり、限られた2時間という時間でまとめるのが大変でした。
春日井:今回は高校生向けにPythonの授業カリキュラムを作成するというということで初めての試みでした。
限られた時間の中で、どこまでを授業内容として盛り込むべきか考えるのが非常に難しかったです。事前に社員を対象にデモ授業を実施して、つまずきやすそうな部分、質問が出そうな部分を予めキャッチアップして、Python幸一さん、石原さんとすり合わせをしながら対策を練りました。
結果的にとても良い資料としてまとめることができたので、良い経験になったと思っています。
ワークショップを振り返っていかがでしたか?
Python幸一:まず、自分自身のPythonの理解が深まりました。HTML/CSSを使用しなくてもウェブサイトを作れたり、EXCELの自動化はもちろん、ウェブスクレーピングなどPythonについて多くのことを学びました。また、生徒さんも我々を温かく迎え入れてくださり、教えること、一緒に学ぶことの楽しさを体験できました。話の途中で笑ってくれたり、「すごい!」と驚いてくれたり、限られた時間の中でこんなに教えることが楽しいのかと驚きでした。自分は日本の高校には行ったことがないので、教える立場として日本の高校に貢献できたことを嬉しく思っております。また機会があれば教えたいと思います。
石原:とにかく楽しかったです!生徒さんにとって一番ためになる教材を考え、それを色んな人からの意見を交え項目を削除したり、追加したり、再構築を何度も繰り返しました。何度も考案した資料になっていますので、高校生に対するPythonの資料としてとてもいいものが作れたと思っています。また、実際に高校生に教えている際も、生徒さんが自主的に新しいモジュールや、関数を自分で調べていました。「生徒さんにPythonを楽しんでもらう」この目標が達成できたのではないかと思い、とても感動しました。
今回の授業内容の考案から、資料作成、実際の授業までの一連の流れを経験できたのはとても貴重だったと思っています。この経験を現在の業務にも活かしたいと思います。
春日井:生徒さんの理解力の高さに驚きました。授業などで日ごろからPCには触れているということだったのですがプログラミングは全くの未経験とのことでした。実際、授業の序盤では少し戸惑っている生徒さんもいらっしゃいました。しかし、徐々に慣れてくると自分で考えてプログラムを改良してみたり、少し発展した質問が飛び交っていたりと改めて生徒さんたちのポテンシャルの高さを実感しました。
今後も情報の授業の需要はどんどん高まっていくと思います。中でもPythonは他のプログラミング言語よりも環境構築のハードルが低いのに本格的な学習ができるという点で優れています。今回の授業でPython授業のカリキュラムが確立できたと思うので、今後もどんどん色々な現場に展開していければと思いました。
桐朋女子高等学校の皆さま、LX DESIGNの皆さま、今回はこのようなワークショップの機会をいただきありがとうございました!
この記事を書いた人
春日井 健太
2020年4月新卒入社。メンバーズキャリアカンパニー、キャリアサポートグループ所属。元エンジニアとしてクリエイターの育成を担当しています。映画が好きでよく映画館に足を運んでいます。
石原 寛太
2021年4月入社。メンバーズデータアドベンチャーカンパニー所属。現在はデータアナリストとして、データの集計・加工を業務として行っている。最近の趣味はスノーボード(人生6回目)ついにボードを買いました。
Python 幸一(パイソン・コウイチ)
ニューヨーク大学 (アメリカ)卒業。アメリカで14年の海外生活経験あり。TOEIC910点。 大手漫画喫茶やホテルで多数の特設ページを制作した。ディズニーランド/シーが大好きで去年は6回足を運んだ。
栗栖
2022年度中途入社。ビジネスプラットフォームカンパニー所属、メンバーズクリエイターズブログ編集部。趣味はラジオ鑑賞。