22卒UXリサーチャーが学んだ、デプスインタビューが上手になるコツとは?

初めまして。22卒の岩渕晶です!
私は9月から、UXリサーチャーとして大手自動車メーカー支援チームに所属してます。
現在は主に新サービス企画におけるデスクリサーチ業務や、UXリサーチャーとしてのスキルアップを目的に、インタビュー設計から調査対象者へのインタビュー・分析を行っています。

今回は、実際に行ったデプスインタビューから、新人UXリサーチャーが難しいと感じたポイントや学んだこと、コツをお伝えできればと思います!

  • インタビューをどのように進めればいいか悩んでいる方
  • 未経験からUXリサーチャーになった方

など多くのみなさんの助けになれば幸いです。

デプスインタビューとは?

デプスインタビューとは、「深さ」を言い表す単語である「デプス(depth)」をインタビューにかけてできた言葉で、調査対象者とインタビュアーが1対1で対面し、60〜90分と比較的長い時間をかけて意見を聞き取る代表的な定性調査の方法です。

デプスインタビューの流れは下記の通りです。

1,設計フェーズ
・調査目的・計画策定
・対象者の選定
・インタビュー設計
2,実査フェーズ
・インタビュー実施
3,分析フェーズ
・分析・レポート作成

引用:「デプスインタビューのやり方|実施方法と失敗しないためのコツ7つ」

https://chat-interview.com/blog/articles/depth-interview-howto.html

引用:「デプスインタビューについて│特徴や進め方、メリットやデメリットを知って市場調査に役立てよう!」

https://gmo-research.jp/research-column/depth-interview

定量調査と定性調査の違い、定性調査の難しさ

定量調査とは、最終的な調査結果が「数値」で表される調査を指します。デプスインタビューのような定性調査では、数人の対象者から言葉で聞き取り調査を行うため、商品開発や販売、商品の改善のヒントを得たりマーケティング戦略の仮説を立てたりするのに適しています。

定量調査は、結果を数値化でき、統計的に分析できることから、需要予測の正確性や仮説検証を行う場合の確実性が高くなるメリットがあります。
しかし、定性調査では消費者の深層心理を理解し、数値やデータ化しにくい部分を拾うことが求められます。

実際に、インタビュアーとしてどちらも経験した身からすると、定量調査よりも定性調査の方が、調査対象者の回答の深堀や「はい」や「いいえ」では答えられない5W1Hの質問から、行動の意図、背景、動機を探る必要がありインタビュアーの担う役割が大きいと感じました。

以上前提を踏まえた上で、デプスインタビューを一から設計、実際に5名のインタビュー・分析を通して、学んだことやポイント・コツを3つ紹介していきたいと思います。

実際にユーザーインタビューを行って、学んだことや上手くなるためのコツを紹介

【インタビュー設計】

質問を細かく作りすぎない

→事前に明らかにしたいことをある程度立てますが、ガチガチに立てすぎずインタビューをしていく中でアドリブを交えながら臨機応変にインタビューすることが重要だと学びました。

あまり質問を細かく作りすぎると、実際にインタビューしたときに対象者の回答内容に合わせた質問の展開ができなかったため、「どのように感じたか?」「なぜそう感じたか?」など5W1Hの型を頭に入れた上で、柔軟に進めるため大まかな質問だけを作ることが重要だと考えます。

【インタビュー実施】

答えやすい質問と答えにくい質問を上手く組み合わせて深堀していくことが大事

→あるテーマをインタビューする際には、まず基本情報や「いつ」「どこで」「はい、いいえ」など相手に答えやすい質問から、少しずつ心の奥へ掘り進んでいくことが重要だと学びました。

テーマについて質問する際に、早い段階で「なぜですか?」と質問をすると、
調査対象者の心理的負担が大きくなったり、相手の記憶がまだ掘り起こされていなかったりするので、デプスインタビューの目的である本人も気付いていなかった考えや心情を引き出すことが難しかったです。
そのため、徐々に相手の記憶を引き出していくような質問設計が大事だと学びました。

バイアスをかけた質問をしない

バイアスとはバイアス(bias)を英和辞典で引くと、『傾向、先入観、偏見、先入主』と書いてあります。インタビュアーが質問する際に、欲しい回答を得るために誘導してしまうことです。
バイアスによる偏りは、調査対象者からの回答の信憑性を下げることを学びました。

実際に私自身インタビュー練習中に、聞きたいことに対応した回答となるようにインタビューしてしまい何度も指摘されることがありました。そのため、相手から目的の回答を引き出すことを第一に考えるのではなく、ユーザーの「知りたい」という気持ちを持ち、被験者がプライベートな情報や感情を開示したくなるような雰囲気を作るよう、インタビュアーがまず心がけることが大事だと学びました。意識することでバイアスにかかる度合いや頻度をコントロールできました。

まとめ

いかがでしょうか?
デプスインタビューの設計や実際にインタビューをしてみると、想像以上に奥が深く非常に難しいと感じました。調査対象者のリアルな体験談や本音から商品の開発やマーケティング施策の改善につながるヒントを得られると思います!
また、インタビュー後に回答の分析を通じて、調査対象者の行動の奥にある動機や価値観が見え、それらが繋がっていくのを実感できたのがやっていて面白かったです!

ぜひ、実際にデプスインタビューを行うときの参考にしていただければと思います。

この記事を書いた人

岩渕晶

岩渕晶

メンバーズEMCカンパニー所属。2022年9月からUXリサーチャーとして、大手自動車メーカー支援チームに所属。現在は、UXリサーチャーだけでなく大手教育企業の制作ディレクションに参加してWebディレクターとしても経験を重ねてます!プライベートでは最近、健康のためホットヨガに通うことを真剣に検討中です。

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