Google Analyticsで迷わないアクセス解析の考え方

こんにちは、メンバーズキャリアカンパニーの牧田です。

クライアント向けのアクセス解析講習で講師を行うことがあり、聞いておきたいことなどを事前にいただくと、かなり高い確率でこのようなご質問があります。

「Google Analyticsの勉強はしているのですが、何をどうしたらいいか分かりません」

慣れない方が陥りやすい状態ですが、Google Analyticsだけでなく、解析ツールは画面や機能も多く、入口で迷ってしまうことでしょう。
しかし、「何をしたらいいのか?」とは別の話になります。

今回はそんな疑問についてお話しします。

Google Analytics、そもそも何をどのように抽出できるのか!?

まずはGoogle Analytics(以下、GA)からお話ししましょう。
「GAで何をどうしたらいいか分からない」という方に掘り下げて聞いてみたところ、このような疑問が出てきました。

1.どんな選択肢があるのか?
2.目的を達成・改善するために、どのような数値、何のデータを見ればいいのか?

確かにあり得る疑問です。
質問者は別の講習会に参加して、書籍も購入して勉強されたそうで、それでもまったく先に進めずにご相談をくださいました。

それではこの2点の疑問についてお答えします。

1.どんな選択肢があるのか?

現時点で覚えておくことは、GAは「サイトのアクセス状況から引き出すデータ、つまり過去の情報を確認できる」という認識だけで大丈夫です。
理由は把握するべき選択肢はありますが、GAでできることは多く、利用者の業務で必要なことは限られてくるので、今はまだ覚えなくても大丈夫です。

2.目的を達成・改善するために、どのような数値、何のデータを見ればいいのか?

正直にお伝えしますね。

「GAで何を見るべきかは、ご本人が一番知っている」です。

……なぜなら、

「何の目的を達成したいのか?何を知りたいのか?」は集計を担当されたご本人のみぞ知ることだからなのです。

サイト、またはコンテンツの目的は必ずあります。
クライアントのコンテンツ担当からご質問を受けた際に、やりたいことについて必ずヒアリングを実施します。

では、その目的を達成するとはどのようなものがあるでしょうか?

・毎月の訪問者が一定数達成した
・製品ページから見積ページへ到達した
・申込みフォームページからの申し込みが完了した

などなど、サイトに訪問するユーザーの行動を数値に表せる何か(目的)が設定されていますね。

目的が達成されたかを知るには、何を確認すればいいのでしょうか?
シンプルに考えてみます。

毎月の訪問者が一定数達成した
月毎、または前月の訪問者数を確認します。

製品ページから見積ページへ到達した
製品ページのアクセス後、サイトから離脱せずに見積ページへ遷移した訪問者数を確認します。

申込みフォームページの申し込み完了
申込みの入力フォームの完了ページに到達した訪問者数を確認します。
さらに入力フォームの開始ページの訪問者数と完了ページを比較すると、申込みを諦めた数も分かります。

目的と、達成を判断するために見るべき項目が分かれば、その項目の数値を調べます。

この見るべき項目を指標ディメンションに当てはめます。

ここで専門用語が出てしまいましたね。
しかも書籍などで見たことはあるものの、使い慣れない言葉に気持ちも引けてしまいます。

次は指標ディメンションの意味と、ページの質について確認しましょう。

指標とディメンション

指標

ページの質について考えてみます。

ページの質を調べるためにはどういったことがあるでしょうか?例を挙げてみます。

・ページが多くの人に何度も見られているか
・ページの隅々まで見られているか
・開始ページとして機能しているか
・外部のどこからきたのか
・サイト内のどこからきたのか
・次はどこのページへ行くのか

上記を見て、主にページのアクセスについてどういう変化があったのかを調べます。

変化を調べるためにGAで見る項目は下記のようなものに表されます。

ページビュー数
ユーザー
ページ別訪問数
セッション
平均ページ滞在時間
閲覧開始数
直帰率
離脱率

これらがページの質を調べる際に良し悪しを判断するためのデータとなる指標と呼ばれます。

例えば、学校の中間テストで、国語のテストが100点なら良し、数学のテストが50点なら次へ向けて準備を行いますよね。
テストの点数を見て良し悪しを判断する、つまりテストの点数は指標ということですね。

ディメンション

次はディメンションです。
ディメンションは計測の範囲を示します。
ページビュー数を調べるために、ページ単位や日付などを範囲指定し、ディメンション別に指標を計測します。
アクセス解析の「何を知りたいか」はこのように考えます。

何のデータが、どのように欲しいのか」

つまり、

「何の(指標の)データが、どのように(ディメンション別に)欲しいのか」ということです。
例:先月のAページのページビュー数日別で欲しい

もう一つ例を挙げてみましょう。
先ほどの中間テストの話で言えば、「テストの点数が見たい」としても何の点数なのかは分かりません。
そこで「教科別にテストの点数が見たい」と当てはめると、国語や数学の点数を見ることができますね。

これがアクセス解析において、最重要の考え方です。
この考え方を実践できるならば、GAを使って「何を調べればいいのか?」が見えてきます。
また、GAの使い方が分からない場合でも、この考え方ができていれば質問を伝えやすくなったり、ネットで検索すると答えが見つかる確率が非常に高まります。

まとめ

簡単にまとめます。

始めにGAの、何をどうしたらいいか分からないという疑問について、まずは、集計を行うご本人が何を調べたいのかを考えます。

そして調べたいことを「何のデータがどのように欲しいのか」に当てはめて指標とディメンションを洗い出します。

指標とディメンションが決まったら、GAでデータを取得します。
ただし、GAの使い方が分からない、指標やディメンションが洗い出した単語と違うといった課題であれば、分かる方に「何のデータがどのように欲しいのか」を質問するか、またはネットや本で調べて答えを探します。

GAでは、たくさんの機能や画面がありますが、この考え方を実践するならば、カスタムレポートをお勧めします。
本来カスタムレポートは中級者以上向けと言われますが、あれこれ画面上で迷うよりはカスタムレポートだけで指標やディメンションが一覧化でき、調べたいことが完結できるので、効率性も考えるとレベルを上げやすいです。

また、GAだけでなくログデータを取得できるGoogleデータポータルも非常に便利で、私もデータポータルの使用頻度は多いです。
しかし、まずは知識を理解して経験値とするためにカスタムレポートを使うのが良いでしょう。
理解度が増したら、状況に合わせてカスタムレポートとデータポータルを使い分けます。

また機会があればカスタムレポートやデータポータルについてお話しします。
今回はここまでです。
ありがとうございました。

この記事を書いた人

牧田 孝

牧田 孝

メンバーズキャリアカンパニー所属のWebディレクター。
アクセス解析の講習会講師を務める機会が増えてきたので、知識の積み上げのためにブログなどで情報発信しています。
今は海と写真とプラモデルがマイベスト3。海のダイバーランクはダイブマスターです。

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