2021.3.11
UXリサーチャーの卵が教える、話を深堀りする3つのコツ
メンバーズに入社して約1年半Webディレクターとして働いてきたのですが、2020年12月からWebの世界からは少し離れて、UXリサーチャーとして働き始めました。まだUXリサーチャーとして働き始めて3か月ほどですが、UXリサーチャーって一体何者でどんなことをしているのかお話ししたいと思います!
UXリサーチャーって普段どんなことをしているの?
UXリサーチャーの働き方や定義は会社や人それぞれですが、私にとってUXリサーチャーとは「誰よりもユーザーのことを考え理解している人」のことです。そして調査やインタビューから得た事実をプロジェクトにかかわる人に共有し、届けたいユーザー像を描いていく役割を担っていると考えています。
日々の業務としてはクライアントの新機能に関するユーザーインタビューや行動観察、既存機能の調査などをしています。
膨大なデータから発言や行動を洗い出して分析するという結構緻密な作業ですが、ユーザーが何に悩んでいたり困っていたりするのかを知るということがメインのお仕事です。
なぜリサーチが必要なの?
UXリサーチャーとして大切にしていることは事実を正確に捉えることです。
例えば次の3人が、長時間の会議の最中にそれぞれ発言をしていたとします。
Aさん「喉が乾いたな~。」
Bさん「暑い…。」
Cさん「ちょっと外に出たい。」
これだけを見ると3人とも発言内容はバラバラですが発言だけを見ると下記のように捉えることもできます。
Aさん「喉が乾いたな~。」(飲み物がほしい?)
Bさん「暑い…。」(温度を下げてほしい?)
Cさん「ちょっと外に出たい。」(休憩を入れてほしい?)
でもこれは仮説であって、実際に考えているのかわかりません。ここでもう少し深く聞いてみます。
Aさん「長時間喋っていたから喉が渇いて、飲み物がほしいです。」
Bさん「議論しすぎて体が暑くなりました。ちょっと冷たい飲み物がほしくて。」
Cさん「すぐ外に自販機があるので飲み物を買いに行きたいです。」
以上の発言から全員、飲み物がほしいという欲求は同じということがわかりました。
このように発言は違っても求めていることが同じということがあります。
ユーザーの表面だけの発言で理解しようとすると、私たちは間違えて認識する可能性があります。またユーザー自身も自分たちが何に悩み困っているのか言語化できていない場合もあります。
だからこそ、発言だけでなくその前後の文脈や行動の裏側にあるその人の価値観を知る必要があるのです。
ユーザーを理解しないまま、その後の課題発見や解決のプロセスに進んでいくと、結果的に誰の何を解決するものなのか分からないものができ上がってしまいます。
そうならないためにも、モノづくりにおいてリサーチは必要なのです!
話を深堀りするコツ
人の価値観まで理解するにはデプスインタビューで深く掘り下げていく必要があるのですが、実際にインタビューをする中で思ったのは、話を深堀りすることはとても難しい!ということです。
皆さんも日々の業務で1on1や面談、クライアントMTGなど人と対話する場面があると思います。「この人は何を考えているんだろう」「要望をヒアリングしたい」といった時に使えるコツを紹介します。
コツ1:キーワードを見つける
深堀りをする時は会話の中でキーワードを見つけて、それについてより詳しく聞いていくことに注力します。
つい質問をたくさん用意して聞いてしまうと、広く浅くしか情報を得られない可能性があります。新しい質問をするのではなく、相手の話の中から質問を生み出していきます。
コツ2:直近のエピソードを聞く
ユーザーの体験を聞き出す時は「体験の有無→頻度→直近のエピソード」の順番で聞きます。
いきなり「○○の体験を教えて!」と言っても話しづらいかもしれません。また過去に複数体験していたらそれを総括して答えてしまうことがあるので、これも具体性に欠けます。
いつの話を聞きたいのかをこちらから指定して話してもらうことで、より具体的なエピソードを聞くことができます。
コツ3:対話を楽しむ
初めてのユーザーインタビューはとても緊張します。
私も初めてのインタビューではかなり緊張して次の質問ばかりを考えてしまい、目の前の会話が全然耳に入ってこなくて会話がかみ合わなかった経験があります。もちろんユーザーインタビューをする上での目的は達成しないといけませんが、目の前にいる人との対話を楽しむという気持ちで相手と向き合うことが実は一番大事なのではないかと私は思います。
まとめ
どれだけ調査やインタビューをしても新しい発見は尽きず、いろんな人の価値観を知っていく楽しさをこの職種を通して日々味わっています。
これからも少しでも多くの人にリサーチの大切さを伝えられたらいいなと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を書いた人
松山 明香里
2019年メンバーズに新卒入社。現在はUXリサーチャーとして勤務。 実家の母から送られてくる猫の写真を見るのが最近の楽しみです。