2021.3.26
年間250本のコンテンツを編集した担当が考える「記事の書き方」
「クリエイターズブログ」の前身である「CCDLab.メディア」の運用を含めると、このメディアが始まってから1年が経ちました。
メディアの立ち上げと共に編集長として携わり、たくさんの社員の皆さんから記事を寄せていただきました。さらに多くの方々に記事を書いてもらうためにはどうすれば良いのか、考えた1年でもありました。
2021年3月をもってクリエイターズブログ編集長を卒業することとなり、1年間で250本以上のコンテンツに目を通し、プライベートでも細々と記事を書いてきた私の置き土産として「私なりの文章の書き方」を残すことが、今後のクリエイターズブログの発展に役立つかもしれないと思い、執筆することにしました。
「記事を書きたいけれど、どう書けば良いのか分からない」という方の参考になれば幸いです!
※SEOについてのテクニカルな情報は含まず「書くテーマがある程度決まっていて、記事の構成を考えて書く」という点に重きを置いた方法になります。
記事を書く前の下準備
さあ、記事を書こう!と言っても、徒然なるままに書くことに難しさを感じる人もいるかと思います。
私が長い文章を書く前にやっていることはこちらです。
・テーマを決める
・どんな人に向けて書くかを考える
・書く内容を洗い出す
・書き出した要素をグルーピングしていく
・グループを並べ変えて流れを作る、アウトラインを作る
・記事の「終わり方」を考える
詳細を説明していきます。
テーマを決める
何よりも先に決める、コンテンツの軸です。
「こんなことを書こう」「このテーマなら書けるかもしれない」というレベルでも良いです。
*このコンテンツにおけるテーマは「自分流 記事の書き方」です
どんな人に向けて書くかを考える
「この記事はどんな人に向けて書くものなのか(ターゲット)」を定めます。
「ペルソナ」までいくと、それを設定するだけで時間を使ってしまうので、ここでつまずく場合は、「過去の自分」をイメージするのが手っ取り早いのではないかと思います。
私は過去の自分と同じような課題で悩む人の手助けや、同じような立場にいる人から共感を得られるようなコンテンツ、という考え方をしています。
*このコンテンツにおけるターゲットは「記事を書きたいけれど、どう書けば良いか分からない人」です
書く内容を洗い出す
記事に入れたい要素を洗い出します。思いついた順に、自分で分かるメモ程度の書き方でかまいません。
洗い出した要素を後に動かすので、それを見越した書き方をしておきましょう。
おすすめは付箋に書き出すことです。
今回私はGoogle スライドに書き出しました。
書き出した要素をグルーピングしていく
似ているメモや関連性のあるメモを近づけ、グルーピングしていきます。
グルーピングしている最中に思いついたものがあれば追加します。
グループを並べ変えて流れを作る、アウトラインを作る
グループを作ったら、どんな順番で書くと自然な流れになるかを組み立てます。
下記はグルーピングしたメモを並べ変えたスライドになります。
ただ、このグルーピングだと、他者が見るとどういう流れで記事が進んでいくのかまでは分かりません。
個人的に執筆するなら把握しているのが自分だけでも問題ありませんが、編集が入る場合や書くことに慣れていない場合、アウトラインで編集サイドと方向性をすり合わせたり、書く流れを最初に明確にしておいたりすると、スムーズに進めやすく効率的です。
グルーピングしたものをアウトラインとして書くと下記のようになります。
記事の「終わり方」を考える
私は記事の締め方を先に考えます。
テーマと終わりを初めに決めれば、ブレずに書くことができます。
*このコンテンツにおける「終わり方」は、記事の書き方の参考にしてほしい内容なので、「試してみてください」にすることにします
肉づけはスタイルを決めてから、タイトルと見出しは書き終えてから
グルーピングとアウトラインまで揃えば、進捗度7割くらいです。
洗い出したメモに肉づけし、書き進めていきましょう!
文章のスタイルを決める
掲載先の特性にもよりますが、どんなスタイルで記事を書くのかを決めます。
堅めなのか、ライトな書き方なのかなど、ひとつの記事では統一します。
掲載先の特性によって変わったり、指定されたりもするので、事前に確認しておくと安心です。
*この記事におけるスタイルは「タメになるけど読みやすい、けど砕けすぎてもいない」を意識しています
肉づけと足し引きをしながら書き進める
書いている最中に、メモにはなくても「足した方が良いもの」は足し、反対に「書いてあると内容がブレるもの」は除外します。
足し引きの判断に迷う時は、ひとまず書いておき、「後で見返したときに不自然であれば削る」もしくは「レビューしてもらって意見をもらう」というのも手です。
書いているうちに冗長になり、定めた「終わり方」にたどりつけなさそうだと感じたら除外します。
タイトル、リード文、見出しは「読み手にとって即座に内容がわかるもの」
タイトルやリード文は記事の、見出しはその段落の「サマリー(要約)」のようなものです。
タイトルやリード文を見ればその記事に、見出しを見ればその段落に何が書かれているのか、読み手が即座に分かるようにつけます(新聞のタイトルやリード文、見出しのつけ方もこうなっていますね)。
そのため私は、タイトルは記事を最後まで書いてから、見出しは最初にアウトラインで出した程度の簡易的なものをつけておき、後から修正するようにしています。
この部分を書いている時点では、まだタイトルは決まっていません。
見出しも固まっておらず、「足し引き」を行うので、アウトラインとも少し変わります。
リード文についてもざっくり書いておく程度で、記事を最後まで書き終えたら、全体の内容と照らし合わせて調整していきます。
避けたいのは「文章中でタイトルや見出しの意味を読み手に察してもらう書き方」です。
小説などでは「伏線の回収」と言われるような面白みを増す手法ですが、記事コンテンツでは控えましょう。
推敲とレビューには、クリアな頭と客観性
最後まで記事を書き終えたら、以下の点に注意して修正していきます。
・日本語はおかしくないか、分かりづらくないか
・「てにをは」は適切か
・文章や段落の流れはスムーズか
・主語、述語は繋がるか
・指示語や接続詞を多用しすぎて分かりづらくなっていないか
・一文が長すぎていないか(一文60字程度)
・句読点は適切な位置にあるか
・足した方が良い言葉やフレーズはあるか
・削った方が良い言葉やフレーズはあるか
・同じような言い回しが繰り返し使われていないか
・「~だ、~である」と「~です、~ます」が混在していないか
継続して記事を書いていくようであれば、チェックリストにまとめておくと抜け漏れなく確認できます。
上記に挙げた以外にも良質なコンテンツ作りのための確認事項があるので、検索して盛り込んでみても良いと思います。
書き終えたその日に確認しても気づかないことがあるため、翌日に繰り越し、一度頭をクリアにしてから見直すこともおすすめです。
自分には理解できても、他の人からすると分からない部分もあるので、レビューを行って他者から客観的な意見を貰ってみましょう。
修正を反映したら、晴れて完成です!
終わりに
普段自分が行っている書き方をいざ言語化してみると、意外と多くの工程を経ているんだなと感じました。
慣れると、ひとつの工程にかかる時間が減ったり、(主に下準備段階で)どこかの工程を飛ばしても書けるようになったりします。
自身の書きやすい方法で書くのが一番ですが、私なりの手法の一部でも役に立てていただければ何よりです。書き方に迷う方はぜひ、試してみてください。
(「試してみてください」という終わりに向かって進んできました。無事帰結し、安心しました)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
この記事を書いた人
松岡 藍
2016年メンバーズ新卒入社。書くことは比較的得意でも、話すことは圧倒的に苦手です。