2021.1.21
企業×NPO×中学校「Scratch」プログラミングワークショップ
皆さまこんにちは、HRエンゲージメント室広報担当の上野です。
先日、メンバーズキャリアカンパニーと特定非営利活動法人みんなのコードが共同で愛知県江南西部中学校の生徒向けにデザインとコーディングのワークショップを実施しました!今回はその実施報告をお届けしたいと思います。
登場人物
聞き手:上野晴菜(ビジネスプラットフォームカンパニー)
話し手:植松理恵、砂金敬、中澤遥(メンバーズキャリアカンパニー)
今回どのような経緯でみんなのコードと共同で中学生向けにワークショップを行うことになったのでしょうか?
植松:メンバーズではVISION2030(※1)実現の取り組みとして1 Share + 1 Actionプロジェクト(以下、1S1A)(※2)を推進しています。私が所属するメンバーズキャリアカンパニーでは社内勉強会は活発ですが、社外へ発信する場が少なく、何かできることはないかと探していました。
近隣の子供たちにデザインやプログラミングを教えられれば、地域の役に立ちながら、クリエイターの成長にも繋がるのではないかと考え、みんなのコードさまに打診し、一緒に企画を行うことに。みんなのコードとは公教育のプログラミング教育を推進している団体(NPO)です。そして今回、愛知県の西部中学校がコラボを申し出てくれました。当初は現地で1日程度の小規模ワークショップの予定でしたが、コロナの影響で「職業体験」が中止となり、それに変わるリモートかつ2年生全員を対象とした1か月程度の職業体験を開催することになりました。
※1 VISION2030
※2 1S1A
メンバーズ全社員が年に最低一回、社外へのナレッジシェア(Share)ないしはソーシャルクリエイター(※3)育成につながるアクション(Action)をしていくプロジェクト。
※3 ソーシャルクリエイター
デザイン思考を持ち、ビジネスの推進や制度設計、アウトプットを通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター(職人)志向性の高い人材のこと。
ワークショップに向けてどのように設計されましたか?
砂金:今回のワークショップは「職業体験」に代わるものとして出発しましたが、MIE fellowの岩田さん、みんなのコードご担当者と協議を重ねた結果、
ワーク1|生徒の皆さんが目指している職業について調べ、職種の価値やその顧客について考える
ワーク2|1の結果をもとに、職種の課題を解決するプログラムをScratchで作る
という、意欲的な内容に決定しました。またその規模も、2年生30チーム・計120人を対象に、週2時間のワークを4週にわたって行うという、かなり大きなものになりました。
「完全オンライン」「中学生対象」「参加者120人」「プログラム体験×職業体験」というハードルの高いワークショップですが、以下の点を徹底させたプログラム構成としました。
A|マニュアルやワークシートなどツールを充実させる
B|ファシリテーターのマンパワーを充実させる
C|テストを繰り返し行う
特にBについては、新卒の有志12名をファシリテーターとしてアサインしています。社歴の浅いメンバーではありますが、逆に言えばターゲットである中学生に社内で一番近いということでもあり、適任と思いお任せすることにしました。皆非常に真摯に取り組んでくれ、スライドの読み合わせ、テスト実施などの事前準備を経て、本番に臨んでもらいました。
実際のワークショップの様子はいかがでしたか?
中澤:初めての試みということで、初日は試行錯誤の連続でした。回線が繋がらなかったり、先生方との連絡がスムーズに取れなかったり、想定外のことばかりでした。生徒たちとのコミュニケーションも思うようにいきませんでした。
この経験から、私達ができることは何かを考え始めるためにチーム内で会議を行ったり、資料の改善を行ったり、生徒たちへ良い授業ができるように下準備をたくさん行いました。そのおかげもあり、2回目、3回目と徐々に良いワークショップができ、円滑なコミュニケーションをとることができました。
積極的に質問もくれて、例えば、PCの使い方、画像の保存の仕方…。「一生懸命授業をやりたい」という気持ちが伝わってきて、私も真摯に応えなければと思い、中学生が理解しやすい言葉を選んだり、ジェスチャーを使ったりして伝わりやすいコミュニケーションを心がけました。その思いが伝わったのか、ワークショップの最後には、私に向かって「ありがとうございました。」と言ってくれたのが嬉しかったです。
砂金:中澤さんのお話にもあるように、ネットワークのトラブルには悩まされました。当初は全チームにGoogle Meetを使ってもらう予定でしたがそれを諦め、数台のGoogle Meetとチャットに限定してコミュニケーションを行うように方針転換しました。この他にも、課題に対応するため週ごとに新しい施策を取り入れていきましたが、ファシリテーターたちは臨機応変に対応し、心強いパフォーマンスを見せてくれました。
また生徒の皆さんの反応ですが、週を追うごとにでき上がっていくプログラムを見ると、非常に楽しんで取り組んでくれている様子を見ることができました。最終的には、当初心配していた難易度の壁も乗り越え、予想を超えた面白い作品を作り出してくれました。
<生徒の皆さんの作品例>
https://scratch.mit.edu/projects/450754203
https://scratch.mit.edu/projects/450337250/
https://scratch.mit.edu/projects/450328731/
<生徒の皆さんの感想>
「お客さんの心を考えてデザインするということは人間にしかできないことだと気づけました。機械が苦手だったけど、今回の取り組みを通して上手く付き合っていきたいと思いました。」
「Scratchを通して、失敗しても次に活かすことは大切だと気づきました。」
「キャラクターの動きを座標を使って動かしたり音を鳴らしたりして上手にプログラミングして作品を作ることができました。」
今回のワークショップの感想を教えてください。
中澤:「デジタルでも心が通じるコミュニケーションを行うことは可能」ということにこのワークショップを通して気づきました。参加する前は、オンラインでは生徒たちとの心の距離は近づかないと思っていました。ですが、実際にオンラインで生徒と関わっていくと些細な雑談から個々の人柄が分かり仲良くなることができました。今後も子供たちに「クリエイティブなことって楽しい」と思ってもらえるようなワークショップを行うことにチャレンジしたいです。会社の方針でもある1S1Aの活動ということだけでははなく、私自身子供に教えることが好きなので、クリエイティブの楽しさはこれからも伝えていきたいと思います。
砂金:実は今回参加したファシリテーターや他スタッフとは、同じ社内とはいえほぼ初対面でした。そのメンバーたちと、完全オンラインでチームを作り、直接会うことなくプロジェクトを進行できたのは特筆すべきことだと思っています。コロナ禍は世の中の有り様を大きく変えてしまいましたが、新しい可能性も生み出しています。そのチャンスを生かし、今後ともワークショップに取り組んでいきたいと考えています。
植松:初の公立中学校とのコラボ、初のフルリモートでの企画で困難なこともありましたが、前向きにやりきってくれて感謝です。参加した新卒が子供たちに親切丁寧に教えている姿は誇らしく、意外な一面も見ることができました。大きく成長したのではないかと思います。このような企画があったらまた参加したいという意見もあり、1S1Aが習慣となることに期待しています。
この記事を書いた人
上野 晴菜
2016年メンバーズ新卒入社。ビジネスプラットフォームカンパニー所属、採用広報を担当。テニス・キャンプ・ピアノが好き。
植松 理恵
2017年11月中途入社。メンバーズキャリアカンパニー所属。キャリアサポートグループグループ長。クリエイターの育成を担当しています。栄養士からWeb業界へ。お休みの日は写真を撮ったり、ゴルフをしたり。
砂金 敬
2018年1月中途入社。メンバーズキャリアカンパニー所属。デザイナー。UX、ワークショップなど知見を広げようと日々努めています。写真の娘も4月から小学生に。
中澤 遥
2020年4月入社。メンバーズキャリアカンパニー所属デザインコーダー。アニメが好きで、最近はゆるキャン△2期に歓喜している。